「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT3」
ミッシェルのアルバム、一番何がいいの?と聞かれて何と答えたら良いだろう。
Amazonのレビュー見てると、「1stこそがミッシェルの最高傑作」「サブリナ2作が最高」「ギヤブルーズ一択」「ハイタイムが1番良い」などなど、それぞれのアルバムにファンがついているんですよ。
ミッシェルは本当に伝説のバンドなんだなと。本人たちはそれなりのバンドを今もやっているのに!(ちなみに私はthe birthdayはあんまハマらない)
私も考える。
ギヤブルーズ!いやいやハイタイム!いや、チキンゾンビーズこそ!え!?ロデオタンデムビートスペクターは!?サブリナ2作も美しい・・・
こりゃ1stからちゃんと聴きなおすべきだな。
clut grass stars/1996年
私が元々持っていた、ミッシェルのイメージ、「凶暴」「轟音」。それは後述する『ギヤブルーズ』以降である。初期はめちゃポップで人懐っこいし若い。このアルバムなんか、ピース!!って感じだもの。ちょっと歌謡曲?って思うくらいにポップ。チバユウスケはロッカーでありメロディメーカーでもある。
01.トカゲが大好き。あとミッシェルが出したCDのなかでこのジャケットが一番好き。
佳曲→01.トカゲ、07.I was walkin' & sleepin'、11.いじけるなベイベー
神曲→04.世界の終わり
High Time/1996年
1stから8か月でリリース、どんだけ才能爆発してるんだ。しかも96年当時オリコン13位に入っちゃう勢いよ!!これも前作同様、人懐っこさともっとポップでロックンロール、しかも全編佳作揃い。1stをパワーアップさせてこの期間で仕上げてくるのが凄い。何の曲がいいかなぁ…と思ってピックアップしたいんだけど全部並べてはじめて良さが分かるので、これは、もう1枚通して聴くべき!!
このアルバムを一番に選ぶ人が多いのはよくわかる。
佳曲→全曲!特に05.シャンデリヤ、08.flash silver bus、11.スロー、10.キャンディハウス
Chicken Zombies/1997年
01.ロシアン・ハスキー~09.カルチャーまで、圧倒のアルバム。いよいよ、凄いぞ。一言でいうと、小気味よいロックンロール。ライブ定番曲・ご馳走曲だらけ。ここは文句のつけようがない。ゲット・アップ・ルーシー~バードメンの流れは鼻血が出る。
ただ、10曲目以降が惜しい…。全部悪い曲じゃないけど『後半で失速』感が否めない。いやぁ本当に勿体ない。
ところで、ロシアンハスキーの歌詞ってちょっとスケベだよね?
”つまり気味の楕円形 早いところ終わらせて エンジンみたいに泣けよロシアンハスキー”
佳曲→03.マングース、12.ロマンチック
神曲→02.ハイ!チャイナ!、04.ゲット・アップ・ルーシー、05.バードメン、06.ブギー、09.カルチャー
GEAR BLUES/1998年
ジャケの通り中身もヘビー。98年にミッシェルは人懐っこいロックンロールから凶暴なロックに変わった。これが良いかどうかは人によると思うが、私は圧倒的にこのアルバムがミッシェルの最高傑作だと思う。隙がない。だからこそ聴くタイミングを選ぶのだが…
1曲目の冒頭から重たいベースが響き、リスナーをぶん殴ってくるような激しい音が気持ちいい。そんな01.ウエストキャバレードライブがツボ。大好き。しかし最後の14.ダニー・ゴーで、ミッシェルのやさしさと人懐っこい音が垣間見える(笑)。
佳曲→05.フリーデビルジャム、06.キラービーチ、13.ボイルド・オイル、14.ダニー・ゴー
神曲→01.ウエストキャバレードライブ、02.スモーキンビリー、10.G.W.D
捨て曲→マジで無い
CASANOVA SNAKE/2000年
ギヤブルーズの勢いのまま、目的地が曖昧なのにがむしゃらに走っている感じがする。アルバムとしては個人的には地味な1枚だが、メロディの良い曲が粒ぞろい。だから単曲で聴くことが多い。とはいえ13.GT400~15.ドロップの流れは、さすが、ミッシェル。
映画「青い春」に使われている”ドロップ”は映画内でも鳥肌もんです。
佳曲→01.デッド・スター・エンド、05.リボルバージャンキーズ、1.シルク、14.ピストル・ディスコ
神曲→13.GT400、15.ドロップ
ロデオ・タンデム・ビート・スペクター/2001年
ミッシェルの分岐点。このアルバムは最後の12.ビートスペクターガルシア~13.赤毛のケリーを聴くためだけに再生しているといっても過言ではない。なので「High Time」同様、全曲通して聴くのがベター。不思議と目立つ曲が少ないのに、何度も聴き返したくなる不思議なアルバム。私の知っている洋楽ロック好きは、ミッシェルNO.1のアルバムはこれだと言っていた。
佳曲→01.シトロエンの孤独、06.リタ、11.バードランド・シンディー
SABRINA HEAVEN/2003年
この頃、チバユウスケの歌はもうシャウトに近い。なんだか切なくて苦しい。曲のメロディもそれまでのポップさは控えめ。前作にあったジャズっぽさがさらに増している。
アルバム全体に、もう終わりを目指している雰囲気が漂っている。曇りがかっていて暗い場所で潜んでいるような。パンク×ロック×ジャズ的なこの独特な空気のアルバムが好き!という人も居るだろう。迷いが無くて振り切った”大人のミッシェル”も格好良いなぁと思える1枚。最後の曲はピアノメインのインストで、今までと全く違うスタイルで新鮮。
佳曲→01.ブラック・ラブ・ホール、02.太陽をつかんでしまった、07.ジプシー・サンディー、08.マリオン
SABRINA NO HEAVEN(ラストアルバム)
前作とセットで聴くのが良い。
たった6曲とはいえ、存在感のあるアルバム。前作と対なのか(否定的な”NO”が入っているし)と思いきや、なんとなく、歌っている内容や音は同じかな?と。激しい曲でも、何かを諦めている感じが伝わってくる。やっぱりファンなので、「終わり」を思い知らされるこのアルバムは切ない!
06.夜が終わる、は、前作のラストNight is overとタイトルがほぼ同じなんだけどチバユウスケはどんな意味を込めたのだろう。朝を迎えようとしているタイトルなのに。
佳曲→01.チェルシー、03.デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ、05.PINK
番外編-Last Heaven's Bootleg(ライブ盤)
ラストライブのツアー音源をまとめたライブアルバム。
カサノバスネイクの頃のライブアルバムもあるけど、私はこっち派。
ライブ盤…ライブにおいて、ミッシェルは別格。初心者にも玄人志向にも何が良い?と聞かれればライブ盤をお勧めする。色々と他のアーティストのライブ盤と違う。速さテンションギター客の熱量。聴くだけで肌がしびれる。
あと選曲は今までの曲を総括しているので”トカゲ”や”マシュマロ・モンスター”、”武蔵野エレジー”等々、普段聴けない曲があってうれしい。
いつも思うけどライブだと音源よりもBPM速すぎるよな(笑)。
捨て曲→もちろん無し
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さて、ここまで書いたわけですが、
結局どれがお勧めよ?ってところです。
私が選ぶミッシェルガンエレファントのアルバムベスト5
1.Last Heaven's Bootleg
2.GEAR BLUES
3.Chicken Zombies
4.ロデオ・タンデム・ビート・スペクター
5.High Time
※3位以下はあんまり大差なくて、なんなら順位はしょっちゅう動く。
すみませんがライブアルバムが1位です。ちょっと反則かと思われるけども。(笑)
これは私がライブアルバム好きっていうことと、ミッシェルはやっぱライブ音源が1番なんです。というわけで冒頭の質問に対しては、ライブ音源聴けこの野郎!!!です。何でけんか腰