生活

ほぼ30歳女の平凡な暮らし

「読了1」

読んだ本の備忘録。

 

なぞの転校生 (講談社文庫)

なぞの転校生 (講談社文庫)

 

テレビドラマは観なかったが、きっと面白かったんだろうな。私は何事にもフィクションよりノンフィクションを求めるタイプなので、SFは合わないと思ったけどコレは読めた。まぁまぁ引き込まれちゃった。情報過多な時代に生まれた私にとっては「どこかチープだな」と思う文章だが、これくらいの軽さがちょうどいいかも・・・

 

世田谷一家殺人事件―侵入者たちの告白

世田谷一家殺人事件―侵入者たちの告白

 

はい、フィクション。未解決事件が大好物なのでこの手の本やネットの文章、大好き。・・・なんだけどなぁ、読んでいると「これは小説?」と思うくらいに文章が無駄に凝っている、展開がトントンすぎる。重要人物の証言が多いはずで、犯人にも迫っているのに、最後の締めはあいまいに終わっている。なんだこれ!!って感じ。あとでAmazonのレビューを読んだら、物議を醸した本だったとあとで知った。何が嫌って、この世田谷一家事件と他の事件(本書で該当事件と関りがあるとされる)の犯行当時のイメージを語る部分が、あまりに凄惨すぎて物理的に吐きそうになるような描写なのだ。そこまで書く必要あるのか?と。この著者は、こういう残虐なシーンを文章に起こしたかっただけじゃないかなぁ。「見て見て、自分の文章力!!」と言っているのが文面で伝わる。それに遺族の方は読めるのか、こんなの(自分もこういった本を”好奇心で”読んでるタチなので、言える立場じゃないが…)。

この本が警察からも直接批判されたからか、この著者の名前で検索してもこの本しか出てこない。今は名前を変えてやっているのかも。ま、個人的にはクリミナルグループという組織について知れたのは面白かった。本当か分からないけど。

 

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

 

本谷有希子が最新作で芥川賞を受賞する何日か前にこれを読んで、タイムリーで驚いた。このタイトルがいい。とても好み。映画は観ていないけどサトエリだよね。

内容は女にしか書けない、ドロドロで気味が悪くて登場人物の持つ愛の方向性、頭がおかしくて、非常に面白かった。この物語は、男性は好きじゃないだろうな。女性ならではの感性。ちなみに私はどの登場人物も嫌いだ。

 

俳優・亀岡拓次 (文春文庫)

俳優・亀岡拓次 (文春文庫)

 

『のろい男』を読んで、面白かったので1作目はお金を出して買った。やっぱり面白い!!このゆる~い、日常感。感動とか、盛り上がりとか盛り下がりとか、あんまり無い。環境の設定じゃなく、亀岡の人間性のみで勝負しているこの本はかなり恰好いいと思う。とはいえ、「俳優・亀岡拓次」自体が設定なのだが。(笑)

だって、あまりに”居そう”な人間で、ふつうに良い人なんだもん。多くは望まないし、そんなに頑張らないけど、元の人間の良さで周りから人気がある、魅力的な人物。その設定を直接的に書かず、雰囲気で分からせる、その文章が独特のペースでとても好き。あと、1話1話に絶対出てくる、本当に”ありそう”な映画の描写が滑稽だ。絶妙なラインを行っている感じ、これ、言葉に出来ないんだけど・・・。淡々と面白いことを書くから、急にフフッと吹いてしまうこともある。亀岡拓次という俳優が愛おしくてしょうがない。 3作目に期待。